[ Monthly Column Nov. 2001 ]
[ 提案したはいいけれど? ]
分業が多く、あらゆる業者が重層的に関わるジュエリー製作。
日々細かく仕事がやり取りされ、悠長に契約を交わしている暇はない。
話の流れとして、「この製品、売れなくて。」などと
知り合いの業者にこぼすこともあるだろう。
「ここをこうすれば?」「急がないからやってみて。」というのもよくある話だ。
彼等にこの時点ではまだ明確な仕事意識がない(多分)。
「ダメ元でやってあげよう。」「ダメ元でやらせてみるか。」
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さて、思いのほか巧く仕上がったとしよう。
発注者としては当然もう一度売りに出し、実際よく売れるはずだ。
「注文取ったからまた頼める?」「いいですよ。」
登場人物に意識のズレが生じるのは だいたいこの辺りからだと思う。
少しお手伝い感覚を引きずった受注者と、改良型で一気に巻き返す構えの発注者。
「巧く行けば仕事になるかも。」「よし、これで仕事になるぞ!」
手直しだからこそ出来たモノは再現が難しく、仕様・品質の安定性に欠ける。
気楽に数本直すのと、『新規原型起こし+量産+納期』とでは職人も技法も違ってくる。
この先は往々にして検品落ち、原型直し、前のと違う等々、苦渋のシナリオが続くのである。
『無料で提案+実費で修理+リピート安請け合い』・・・他の業界の方々から見れば
きっとそれはただの馬鹿。しかし、巧く行ったら大きいのもジュエリー業界。
スケールの仕事を頂く身でない私には どちらも他人事の話ではある。
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