[ Monthly Column Jan. 2002 ]
[ 豊かな年へ ]
古い話である。1984年頃、『豊さとはなにか』『豊さのあとに』という
2冊の新書の読後レポートを出題されたことがあった。
通りいっぺん、「消費=豊さと錯覚するべからず」的なことを書いて
お茶を濁したと思われるが、所謂一般論で学生の実感ではない。
元々富豪と近づきになるチャンスはなく、成金には近づかないのが当家の流儀。
周囲は普通の暮らしを送っていたし、今では批判される泡沫景気も
一種自然の成り行き 浮かれて鼻息が上がれば楽しいわけで
あれはあれで仕方なかったと思えるのだ。
寧ろ異常だったのは、以後の変節ぶり!激安・B級ブームの方だろう。
その間ジュエリー業界も辛酸を舐め、生産拠点はアジアに移るか
なくなるかして今日に至り、挙句気まぐれに時折り回復する消費は
もはやドメスティックブランドを相手にしない。
売り手も買い手も 自分の役目や位置すら解らなくなっている。
『豊さとはなにか』『豊さのあとに』を生活=制作活動の中から
考えてゆきたいと思う今日この頃。
Composition